就労に不安を抱える方の中には、「障害者手帳を取得することに抵抗がある」「制度の対象になるのかわからない」と感じている方も少なくありません。
結論からお伝えすると、就労移行支援は医師の診断書があれば、障害者手帳がなくても利用可能です。
手帳の取得に迷いがある方でも、一般雇用枠での就職を目指すための支援や訓練を受けられるため、キャリア形成において大いに役立ちます。
本記事では、数多くの就労支援を行ってきたアビリティーズジャスコが、障害者手帳なしで就労移行支援を利用する手順や、条件ついて詳しく解説します。
また、就職活動における「障害者手帳を取得するかどうか」の判断基準についてもご紹介していますので、現時点で悩んでいる方もぜひ参考にしてください。
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就労移行支援は手帳なしでも利用できる?条件を解説

就労移行支援は、障害者手帳がなくても医師の診断書などがあれば利用が可能です。
この場合、「障害福祉サービス受給者証」を取得することで、正式に支援を受けられます。
利用条件は自治体ごとに多少異なるものの、基本的には厚生労働省が示す以下の4つの要件を満たしていれば対象者となります。
- 18歳以上65歳未満であること
- 障がいや難病を抱えていること
- 一般企業への就職を目指していること
- 障害福祉サービス受給者証を所持していること
※手帳の有無は不問
なお、上記の条件を満たすかどうかは、抱えている障がいや病気の内容によって判断されます。
具体的には、次のような状態にある方が対象とされています。
| 区分 | 対象となる主な例 |
|---|---|
| 精神障がい | ・統合失調症 ・うつ病 ・双極性障がい ・不安障がい ・てんかん ・適応障がい |
| 発達障がい | ・ADHD(注意欠如・多動性障がい) ・アスペルガー症候群 ・自閉症 |
| 知的障がい | ・軽度〜中度の知的障がい |
| 身体障がい・難病 | ・視覚・聴覚障がい ・肢体不自由 ・障害者総合支援法に該当する難病 |
手帳の取得を迷っている場合も、まずはかかりつけの医師に相談し、就労移行支援の利用について診断書を発行してもらえるか確認してみてください。
▼就労移行支援の対象者について詳しく知りたい方はこちら
就労移行支援の対象者とは?年齢制限や利用条件をわかりやすく解説
障害福祉サービス受給者証の申請に利用できる書類
就労移行支援を利用するには、「障害福祉サービス受給者証」の取得が必要です。
これは、自治体が障がいや病気の状況を確認したうえで発行する、公的な利用許可証です。
申請から交付までの期間は自治体によって異なりますが、一般的には1〜2か月程度かかることが多いため、早めの準備をおすすめします。
受給者証の申請には、障がいや病気の状態を証明するため、以下のような書類が必要です。
多くの場合、医師の診断書が提出されますが、自治体によっては医師の「意見書」でも対応できるケースがあります。
意見書は、診断書のように病名や障がい名を医学的に証明するものではなく、申請者が就労移行支援の対象者かどうかを、医師の見解として記載する書類です。
そのため、診断名が曖昧なケースや、発達障がいのグレーゾーンにある方でも、支援の利用をあきらめる必要はありません。
ここからは、各書類についてさらに詳しく見ていきましょう。
医師の診断書
就労移行支援を申請する際は、病名や症状を証明できる「医師の診断書」が必要になるケースが多くあります。
スムーズに申請を進めるため、以下の点を押さえておきましょう。
【診断書の概要とポイント】
- 通院中の医師に診断書を依頼する
- 通院していない場合は精神科や心療内科を受診する
- 診断書の費用は2,000〜4,000円程度
診断書を依頼する際は、「就労移行支援を利用したい」と医師に伝えます。
現在通院をしていない場合は、精神障がいや発達障がいなどに対応する精神科や心療内科の受診から始めましょう。
なお、診断書は初診では発行されず、数回の通院が必要なケースもあるため、相性の良い医師を選ぶことも重要なポイント。
もし診断書が発行されない場合は、セカンドオピニオンを検討し、別の医師に相談することも選択肢の一つです。
障害年金証書
障害者手帳を持っていなくても、障害年金を受給している場合は、就労移行支援の利用対象になることがあります。
障害年金の受給実績は、障がいや病気の状態が公的に認められている証明のひとつと考えられます。
なお、就労移行支援の利用中であっても、障害年金の受給は継続可能です。
そのため、経済的な不安を抱えながらの就職準備も安心して進められます。
申請時には障害年金証書が有効な証明書類となりますが、必要書類の詳細は事前に自治体へ確認しておくと確実です。
自立支援医療受給者証
自立支援医療受給者証を持っている場合も、就労移行支援の申請に利用できることがあります。
これは、継続的な通院や服薬が必要な精神疾患などがある方を対象に、医療費の自己負担を軽減する制度です。
申請時には、以下のような書類の提出が求められます。
- 申請書
- 主治医の診断書
- 世帯所得を確認できる書類
- 健康保険証の写し
- マイナンバーが確認できる書類
申請は市区町村の窓口で行い、書類に不備がなければ、通常1〜2か月ほどで交付されます。
なお、自立支援医療受給者証の取得が住宅ローン・保険・就職などに直接影響することは基本的にありません。
ただし、企業によっては健康状態に関する申告を求められる場合もあります。
開示に不安がある方は、事前に医療機関や就労支援機関へ相談しておくと安心です。
障害者手帳
障害者手帳を持っている場合は、就労移行支援の申請時に利用できる書類として認められています。
さらに、手帳は申請書類として使えるだけでなく、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- 障がい者雇用枠での就職活動が可能
- 公共料金や携帯電話料金の割引
- 所得税・住民税などの控除
- レジャー施設や公共交通機関の割引
特に、障がい者雇用枠での就職を検討している場合、障害者手帳の所持が応募条件となることが一般的です。
そのため、就労支援制度を幅広く活用したい方にとっては、障害者手帳の取得も有力な選択肢と言えるでしょう。
障害者手帳の取得判断について先に知りたい方はこちら
「障害者手帳を取る/取らない」どちらが自分に合っている?
手帳なしで就業移行支援を利用する手順

ここでは、手帳を持たない状態から支援を受けるまでの一般的な流れを紹介します。
自治体によっては、手続きの順序や必要書類が異なる場合があります。
申請をスムーズに進めるためにも、各ステップごとに詳しく見ていきましょう。
就労移行支援事業所を選ぶ
まずは、通いたい就労移行支援事業所をいくつか選び、見学や体験を通じて自分に合う場所を見つけましょう。
事業所ごとに支援の内容や雰囲気が異なるため、実際に足を運んで確認することが大切です。
見学の際には、障害者手帳を持っていないことを事前に伝えておくと、申請サポートや必要書類の案内などを受けられます。
就労移行支援事業所の選び方についてさらに詳しく知りたい方はこちら
就労移行支援事業所の選び方を解説!後悔しないための比較ポイントと探し方ガイド
書類を揃え、自治体の障害福祉課へ申請
医師の診断書などの必要書類を揃えたら、お住まいの自治体にある障害福祉課の窓口へ申請します。
【申請時に必要な書類】
- 申請書、同意書
- 印鑑
- 氏名・住所がわかる本人確認
- 障害者手帳、または医師の診断書・通院記録
自治体や本人の状況によって、健康保険証や収入証明書などの追加書類が求められることもあるため、事前に窓口で確認しておくと安心です。
申請後、すぐに障害福祉サービス受給者証が交付されるわけではありません。
まずは、自治体の職員による「認定調査」を受ける必要があります。
全体を通じて、申請から交付までに1〜2か月程度かかることが一般的です。
事業所にて利用手続きを行う
障害福祉サービス受給者証と医師の診断書が手元に揃ったら、利用を希望する就労移行支援事業所に持参し、利用手続きを行いましょう。
手続きが完了すると、事業所と契約を締結し、担当スタッフが本人の特性や希望に応じた「個別支援計画」を作成します。
その計画に基づき、就職に向けた訓練や支援が本格的にスタートします。
利用開始までの流れが不安な場合でも、事業所のスタッフが丁寧に説明してくれるため、初めての方も安心です。
アビリティーズジャスコでは、申請手続きから個別支援計画の作成、そして就職後の定着支援までを一貫してサポートしています。
制度の利用が初めての方でも、無理のないペースで一歩を踏み出せるよう、丁寧にお手伝いします。
随時見学や無料体験を受けつけておりますので、手続きに不安がある方も是非お気軽にご相談ください。
就業移行支援以外にも手帳なしで利用できるサービスはある?
ここでは、就労移行支援以外で「障害者手帳がなくても受けられるサービス」として代表的な支援機関を紹介します。
| 支援サービス | 主な支援内容 |
|---|---|
| 地域障害者職業センター | ・職業評価 ・適性判断 ・職場適応訓練 |
| 障害者就業・生活支援センター | 生活面も含めた総合的な相談支援 |
| ハローワーク | ・障害者専門窓口での求人紹介 ・面接指導・職場実習の相談 |
| 就労継続支援A型・B型 | 継続的な就労機会の提供 |
利用条件や支援内容は機関によって異なるため、それぞれの特徴や就労移行支援との違いについて詳しく見ていきましょう。
地域障害者職業センター|職業リハビリテーションが可能
地域障害者職業センターは、ハローワークなどと連携しながら就労に向けた支援を行う公的機関です。
障害者手帳の有無にかかわらず、障がいや難病などにより支援が必要とされる方であれば、利用できます。
主な支援内容としては、以下のようなサポートを受けられます。
- 職業リハビリテーション
- 職業評価・適性判断
- 職場適応支援
- カウンセリング
- ハローワークとの連携支援
地域障害者職業センターは、就職活動の準備段階で自分の適性や課題を客観的に把握したい人におすすめです。
支援内容は評価や相談が中心で、実際の職業訓練や定着支援までは行いません。
そのため、実践的なトレーニングや企業実習、就職後のフォローまで一貫したサポートを希望する場合は、就労移行支援の利用がより効果的です。
また、地域障害者職業センターは就労移行支援と併用することもでき、併せて利用することで就職に向けた準備を進めやすくなります。
障害者就業・生活支援センター|生活面でのサポートも可能
障害者就業・生活支援センターは、就労だけでなく生活面も含めた幅広い相談支援を行う公的機関です。
日常生活や社会生活において困りごとを抱えている場合は、手帳の有無にかかわらず、障害者就業・生活支援センターの利用について相談できます。
提供される主な支援内容は以下の通りです。
- 就労に関する相談
- 生活に関する相談
- 福祉サービスの連携調整
生活面の困りごとが仕事にも影響していると感じる方に特におすすめの支援機関です。
たとえば、日常生活のリズムづくり、金銭管理、行政サービスの利用など、仕事に直接関係しない課題にも対応してくれます。
ただし、障害者就業・生活支援センターでは、職業訓練や企業実習といった実践的な就職準備は行われません。
そのため、働くためのスキルを段階的に身につけたい方には、就労移行支援の活用が特におすすめです。
ハローワーク|障害者専門窓口でのサポートが可能
ハローワークには「障害者専門窓口」が設けられており、以下のような支援が受けられます。
- 求人紹介
- 面接対策
- 職場実習の相談・案内
障害者手帳がなくても、医師の診断書や障害年金の受給実績があれば、障害者窓口での相談や、障害者雇用枠の求人紹介を受けられるケースがあります。
ハローワークでは、求人情報の提供や面接対策のアドバイスを受けることはできますが、基本的には自分で主体的に準備を進める必要があります。
そのため、就職活動に自信がない方や、一人で準備を進めるのが不安な方は、就労移行支援との併用がおすすめです。
就労移行支援では、ハローワークではカバーしきれない以下のような支援が提供されます。
- 応募書類の作成サポート・添削
- 模擬面接や面接練習
- ビジネスマナーや職場対応スキルの講座
- 実際の企業実習や体験就労の機会
- 就職後の定着支援
就職活動に不安がある方でも、就労移行支援を活用すれば、準備から就職後のサポートまで一貫して支援を受けられます。
一人で抱え込まず、専門スタッフと一緒に安心してステップを踏んでいきましょう。
就労継続支援A型・B型|就労の機会提供が可能
就労継続支援A型・B型は、一般就労が難しい方に向けて、働く場を提供する福祉サービスです。
A型は利用者と雇用契約を結び、最低賃金が保証される就労形態で、比較的安定した勤務が求められます。
一方、B型は雇用契約を結ばず、体調やペースに合わせて柔軟に通所しながら作業に取り組めます。
両者の主な支援内容は以下の通りです。
- 継続的な就労機会の提供
- 作業指導・職業訓練
- 体調や状況に応じた支援計画の作成
- 必要に応じた生活面のサポート
なお、「就労継続支援A型・B型」は、障害者手帳がなくても、医師の診断書や障害年金証書等があれば利用が認められる場合があります。
「すぐに一般就労は難しそう」と感じている方や、体調・ブランクに不安がある方にとって、無理のないペースで働く準備ができるおすすめの制度です。
ただし、早期に一般就労を目指している場合は、A型・B型の利用が遠回りになる可能性もあります。
一方、就労移行支援では、ビジネスマナーやPCスキルの習得から、企業実習・定着支援まで、一般就労に必要な準備を段階的かつ長期的にサポートします。
そのため、短期間での就職を目指す方には、就労移行支援の活用がよりおすすめです。
就労移行支援と就労継続支援の違いについてより詳しく知りたい方はこちら
就労移行支援と就労継続支援の違いは?A型・B型の特徴や自分に合う制度の選び方を紹介
「障害者手帳を取る/取らない」どちらが自分に合っている?
障害者手帳の取得にはメリットもある一方で、人によっては心理的な抵抗や制度面での不安を感じることもあります。
ここでは、判断の参考になるよう、手帳を「取る場合」と「取らない場合」それぞれの視点から解説します。
ライフスタイルや働き方の希望に応じて、どちらが自分に合っているかを見極めることが大切です。
手帳を取るメリット・デメリット
障害者手帳の取得には、得られる支援や制度がある一方で、事前に理解しておきたい注意点もあります。
- 障害者雇用枠に応募できる
- 合理的配慮を求めやすくなる
- 各種割引や控除などの経済的支援が受けられる
障害者雇用枠での就労では、職場での配慮を受けながら働ける可能性が高まるほか、公共料金の割引や税制優遇など、生活面での支援も充実しています。
なお、障害者手帳を取得しても、一般雇用枠やクローズ就労で働くことは可能です。
ただし、障害者雇用枠での就職は配慮を受けやすい反面、企業によっては職種が限定されるる場合もあります。
そのため、手帳を取得する際は制度のメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分が望む働き方に合っているかを見極めることが大切です。
取得しない場合の注意点
障害を開示せず、一般雇用枠で就職を目指す場合は、障害者手帳を取得する必要はありません。
ただし、クローズ就労では職場に障害の特性を伝えないため、業務内容や勤務時間、人間関係などに関して配慮を求めにくいという側面があります。
結果として、仕事の継続が難しくなるケースもあるため、慎重に検討することが大切です。
手帳なしでの就職を考えている方は、就労移行支援を活用して自己理解を深め、将来的に障害者雇用も視野に入れるという選択肢もあります。
アビリティーズジャスコでは、障害者手帳の有無にかかわらず、ご本人の特性や目指す働き方に応じて、最適な支援計画を提案しています。
就職準備から就職後の定着支援まで、一貫してサポートを行っており、障害者雇用枠・一般雇用枠のどちらで働く場合でも安心してご利用いただけます。
「自分に合った働き方を見つけたい」「安心して長く働き続けたい」と考える方は、ぜひアビリティーズジャスコへご相談ください。
就労移行支援に関するよくある質問と回答
就労移行支援を検討する中で、制度や利用条件について疑問を持つ方は少なくありません。
ここでは、よくある質問について、実際の利用を考えるうえでわかりやすく解説します。
制度の仕組みや判断の基準を正しく理解することで、安心して一歩を踏み出すことができます。
就労移行支援は診断書なしでも利用できる?
就労移行支援を利用する際は、原則として医師の診断書が必要ですが、必ずしも診断書だけに限られるわけではありません。
以下のような書類があれば、診断書の代わりとして認められ、障害福祉サービス受給者証の発行につながる可能性があります。
- 障害年金の受給を証明できる書類
- 自立支援医療受給者証
- 医師の意見書
ただし、自治体により認定基準が異なるため、事前に確認しておきましょう。
障害者雇用・オープン就労は手帳なしでも利用できる?
障害者雇用枠に応募するには、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持していることが必要です。
手帳がない場合、企業の障害者雇用枠にはカウントされません。
ただし、一般雇用枠で自身の障がいを開示して働く「オープン就労」は、手帳がなくても可能です。
就労移行支援を利用して一般枠で就職した場合も、多くはこのオープン就労に該当します。
障害者手帳を持たない理由は?
障害者手帳を申請していない理由としては、以下の声が多く見られます。
- 自分が対象かわからない
- 手帳を持つことへの心理的な抵抗がある
- 手続きが難しく感じる
特にうつ病や発達障がいなど、状態が変動しやすい精神疾患の場合、「本当に対象になるのか不安」という理由で申請をためらう方も少なくありません。
迷いがある場合は、医師や支援機関に相談しながら、自分に合った働き方や制度の活用方法を考えていくことが大切です。
就労者移行支援は手帳なしでもまずは「見学・相談」からはじめよう
就労移行支援に必要な「障害福祉サービス受給者証」は、障害者手帳がなくても、医師の診断書があれば申請できます。
手帳の取得を迷っている方や、障がいを開示して働くべき分からない方も、今すぐに結論を出す必要はありません。
まずは就労移行支援に通いながら、自分の特性や希望と向き合い、少しずつ働き方を整理していくこともおすすめです。
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お試し就労によって就職前に職場の雰囲気を掴めるため、自分の適性をじっくり見極めることが可能です。
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