医師や周囲から障害者手帳の申請を勧められても、「取得すると就職で不利になるのではないか」「会社や家族に知られないか」と不安を感じる人もいるでしょう。
障害者手帳は、障がいがあることを証明し、税金の控除や各種割引などの支援を受けるための公的な証明書です。
障害者手帳の取得自体が不利益に直結することは原則としてありません。
ただし、申請や更新に手間がかかるほか、障がい者雇用枠で就職する場合は給与やキャリアに影響するケースもあります。
メリットだけでなく、注意点も理解したうえで申請するかどうかの判断が大切です。
この記事では、障害者手帳を持つデメリットやメリット、手帳の種類、申請を検討する際の判断基準を解説します。
自分にとって障害者手帳が必要か検討する際の参考にしてください。
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事業所一覧
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武蔵境センター
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障害者手帳を取得するデメリットと注意点
障害者手帳の取得を検討する際に知っておきたいデメリットと注意点は次の4つです。

ただし、手帳を取得したからといって必ず不利益を受けるわけではありません。
手帳の取得による影響と病気や障がいに関連して生じる注意点は分けて理解しましょう。
申請の手間と費用がかかる
障害者手帳を取得するには、申請の手続きに加えて一定の費用と時間がかかります。
申請には申請書や手帳の種類に応じた診断書や証明書などが必要で、交付されるまでには数か月かかる場合があります。
また、精神障害者保健福祉手帳の場合は原則2年ごとの更新手続きが必要です。
申請手続きや必要な費用、交付までの期間は自治体や手帳の種類によっても異なります。
申請を予定している場合は、事前にお住まいの自治体窓口で正確な情報を確認しておくと安心です。
心理的なハードルを感じる
障害者手帳を申請する際、多くの人がデメリットとして感じるのは心理的なハードルです。
障がいを公的に証明することへの抵抗や会社や家族に知られたくないという思いから、申請をためらう人も少なくありません。
しかし、障害者手帳を取得しても自治体から会社や周囲へ通知されることはなく、日常的に手帳を提示する義務もありません。
申請は原則として本人の意思にもとづいて行われます。
家族への開示が心配な場合は、郵送物の扱いなども含めて自治体の窓口へ確認しておきましょう。
給与やキャリアの幅が変わる
障害者手帳を活用して障がい者雇用枠で就職すると、給与やキャリア形成に影響する可能性があります。
障がい者雇用枠は、体調や障がいに配慮された環境で働きやすい一方、募集される職種や業務内容が限られる場合があります。
一般雇用枠と障がい者雇用枠の主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 一般雇用枠 | 障がい者雇用枠 |
|---|---|---|
| 応募要件 | 手帳は不要 | 障害者手帳が必要 |
| 障がいへの配慮 | 本人からの申し出などに応じて相談できる | 通院・勤務時間などへの配慮を受けやすい |
| キャリアの幅 | 幅広い職種から選びやすい | 募集職種や業務が限定される場合がある |
障害者手帳を取得しても、必ずしも障がい者雇用枠で働く必要はありません。
職場でのサポート体制を重視したい場合は障がい者雇用枠、収入やキャリアアップを優先したい場合は一般雇用枠と、希望に合わせて選択できます。
給与・待遇・キャリア形成など、重視したい点に合わせて選びましょう。
生命保険や住宅ローンの審査に影響する
障害者手帳の取得自体が生命保険や住宅ローンの審査に影響するわけではありません。
ただし、障がいの原因となった病気や現在の健康状態によっては、審査に影響する場合があります。
とくに、持病による通院や服薬を続けている場合は、生命保険や住宅ローンの団体信用生命保険へ加入できないことがあります。
健康状態に不安がある場合は、持病のある人が申し込みやすい保険や団体信用生命保険に加入せず利用できる住宅ローンなど、自分の状況に合う選択肢を検討しましょう。
障害者手帳を取得するメリット
障害者手帳の取得にはデメリットがある一方で、次のようなメリットもあります。

こうした支援は、経済的な負担を軽くするだけでなく、社会参加や自立の後押しにもつながります。
税金の控除など経済的な負担を軽減できる
障害者手帳を持っていると、税金の控除などによって経済的な負担を軽減できます。
所得税や住民税の控除を受けられたり、自動車税や相続税でも減免措置が適用されたりする場合があります。
たとえば、所得税・住民税で障害者控除を受ける場合の控除額は、次のとおりです。
| 控除の種類 | 一般の障害者 | 特別障害者 | 同居特別障害者 |
|---|---|---|---|
| 所得税の障害者控除 | 27万円 | 40万円 | 75万円 |
| 住民税の障害者控除 | 26万円 | 30万円 | 53万円 |
※特別障害者は重度の障がいがある人、同居特別障害者は特別障害者に該当する同一生計の配偶者や扶養親族と同居している場合が対象
なお、これらの控除を受けるためには、年末調整や確定申告のときに申告が必要です。
※参考:国税庁「障害者と税」、東京都主税局「個人住民税|暮らしと税金」
公共料金や交通機関などの割引を受けられる
障害者手帳を取得すると、公共料金や交通機関などでさまざまな割引制度を利用できます。
たとえば、対象となる割引は次のとおりです。
- JR・バス・タクシーなどの運賃
- 携帯電話料金
- NHK受信料
- 公共施設・レジャー施設の入場料
ただし、割引が受けられる範囲や割引率は障がいの等級や自治体、事業者によって異なります。
条件を確認したい場合は、利用する交通機関や施設、お住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。
福祉サービスや生活支援を利用しやすくなる
障害者手帳を持つと、医療費や生活支援に関する各種サービスを利用しやすくなります。
受けられる支援には次のようなものがあります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 心身障害者医療費助成制度 | 自治体が医療費の自己負担分を軽減 |
| 自治体独自の手当 | 手帳の種類や等級などに応じて支給される手当 |
| 公営住宅に関する支援 | 優先入居や使用料の減免を受けられる場合がある |
また、自立支援医療や特別障害者手当など、手帳とは別の要件で利用できる制度もあります。
利用条件は手帳の種類や等級、所得、お住まいの自治体によって異なります。詳しくは、自治体の障がい福祉窓口やホームページでご確認ください。
就労支援などのサポートを受けられる
障害者手帳を持っていると、障がい者雇用枠にも応募できるため就職や転職の際に選択肢が広がります。
障がい者雇用枠では、通院や体調への配慮を受けやすく、自分の状況に合った無理のない働き方を実現しやすくなります。
さらに、就労移行支援などの福祉サービスを利用する際も、手帳があることで申請手続きがスムーズに進む場合があります。
働き方に不安がある場合でも、各種支援サービスを利用することで自分に合ったペースでの就職や職場復帰を目指せるでしょう。
障害者手帳とは?福祉サービスや支援を受けるための公的証明書
障害者手帳は、一定の障がいがあることを証明する公的な証明書です。
手帳の取得は任意であり、義務ではありません。
ただし、取得することで状況に応じてさまざまな支援やサービスが受けやすくなり、日常生活の負担軽減に役立ちます。
障害者手帳の種類
障害者手帳は主に次の3種類に分かれており、手帳の種類によって申請先や受けられる支援内容が異なります。
| 種類 | 主な対象 | 等級 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 視覚・聴覚・肢体・内部障がい(心臓・腎臓など) | 1〜7級 | 原則更新なし(障がいの状態により再認定あり) |
| 精神障害者保健福祉手帳 | うつ病・統合失調症・発達障害・ADHD・てんかんなど | 1〜3級 | 原則2年ごとに更新 |
| 療育手帳 | 知的障がい | 自治体で区分・呼称が異なる | 再判定あり |
等級によって受けられる支援内容は変わりますが、下位等級(3〜6級)でも所得税・住民税の障害者控除など多くの支援を利用できます。
ただし、交通機関の運賃割引など、一部の支援は自治体や等級により対象者が限定される場合もあります。
利用前に各制度の条件を確認しておきましょう。
障害者手帳を申請するかどうかの目安
障害者手帳を申請するか迷ったときは、受けたい支援や負担の感じ方を踏まえ、状況に応じて判断することが大切です。
ここでは、次のケースに合わせて申請の目安を解説します。

両方の視点を比較し、どちらがよりメリットを得られるかを考えることが適切な判断につながります。
申請するメリットが大きいケース
利用したい支援や制度が明確な人は、障害者手帳を取得するメリットが大きいといえます。
たとえば、障がい者雇用枠で配慮を受けながら働きたい場合、原則として応募時に障害者手帳が必要です。
また、障害者控除や交通機関の割引など、手帳の所持が利用条件となる制度を継続的に活用したい場合も取得を検討する価値があります。
まずは利用したい支援を書き出し、どの程度負担を軽減できるかを確認してみましょう。
自分にとってのメリットを具体的に整理すると、申請すべきか判断しやすくなります。
申請を急がず慎重に検討した方がよいケース
利用したい支援がまだ明確でない場合や、手帳がなくても必要な支援を受けられる場合は、申請を急ぐ必要はありません。
障害福祉サービスの中には、医師の診断書や意見書などを提出すれば 障害者手帳がなくても利用できるサービスもあります。
たとえば、就労移行支援は自治体の判断によって手帳を持っていない人も利用できる場合があります。
まずは、自分が希望する支援に手帳が必要かどうかを確認してみましょう。
また、得られるメリットよりも診断書の費用や申請・更新の手間、心理的な負担の方が大きいと感じる場合もすぐに手帳を取得する必要はありません。
自治体の障がい福祉窓口や支援機関に相談しながら、自分にとって必要だと感じたタイミングで手帳の取得を検討しましょう。
障害者手帳がなくても使える支援制度
障害者手帳を持っていない場合でも、利用できる公的な支援制度があります。
代表的な制度は次のとおりです。
- 自立支援医療:精神科などへの通院にかかる医療費の自己負担を軽減する制度
- 指定難病の医療費助成:指定難病の治療費の自己負担を軽減する制度
- 就労移行支援:就職に必要な訓練や就職活動の支援を受けられる障害福祉サービス
利用条件や必要書類は、制度や自治体によって異なります。
また、就労移行支援は医師の診断書や意見書にもとづき、自治体が支援の必要性を認めた場合、障害者手帳がなくても利用できます。
アビリティーズジャスコでは、手帳を取得していない人からの相談や見学も受け付けています。
利用条件や申請手続きについても案内しているため、就職に向けた支援を利用したい人はお気軽にご相談ください。
障害者手帳の申請方法と取得までの流れ
障害者手帳は、お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口で申請します。一般的な流れは次のとおりです。
- 市区町村の窓口で申請方法を確認する
- 申請書や診断書などの必要書類を用意する
- 窓口へ書類を提出する
- 審査や判定を受ける
- 手帳の交付を受ける
手帳の種類によって、主な必要書類や判定方法が異なります。
| 手帳の種類 | 主な必要書類・手続き |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 都道府県などが指定する医師の診断書・意見書 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 所定の診断書、または精神障がいを理由に受給している障害年金の証書など |
| 療育手帳 | 児童相談所や知的障害者更生相談所などによる判定 |
他にも、申請書、本人の写真、マイナンバーなどの本人確認をできる書類の提出を求められる場合があります。
交付までの期間や必要書類は自治体によって異なるため、申請前に窓口やホームページで確認しましょう。
障害者手帳に関するよくある質問
障害者手帳について、多く寄せられる次の質問に回答します。
制度に関する疑問を解消し、手帳を取得するか判断する際の参考にしてください。
障害者手帳を会社に提出するデメリットはありますか?
障害者手帳を会社に提出することにデメリットはありません。
障害者雇用促進法では、募集・採用や賃金、配置、昇進などにおいて、障がいを理由とした不当な差別的取り扱いが禁止されています。
手帳の提出が必要になるのは、主に障がい者雇用枠へ応募する場合や会社が障がい者雇用の状況を確認する場合です。
一方、一般雇用枠で働く場合、手帳を取得していることを必ず会社へ申告する必要はありません。
障がいを開示するかどうかは、希望する働き方や配慮の必要性を踏まえて判断しましょう。
障害者手帳を返納するデメリットはありますか?
障害者手帳を返納すると、手帳の提示を利用条件とする制度やサービスを利用できなくなります。
たとえば、障害者控除や交通機関の割引が受けられなくなるほか、障がい者雇用枠の求人にも応募できなくなります。
返納後に手帳が再び必要になった場合は、改めて申請や審査が必要です。
返納を検討するときは、現在利用している制度やサービスへの影響を確認したうえで判断しましょう。
障害者手帳を持たない理由は何ですか?
障害者手帳を持たない理由には、制度を利用する予定がないことや申請・更新の負担、障がいを公的に証明することへの心理的な抵抗などがあります。
障害者手帳の取得は任意です。利用したい制度やサービスがなければ無理に申請する必要はありません。
必要な支援や生活状況が変わったときに、あらためて取得を検討することもできます。
障害者手帳を持つと毎月いくらかもらえますか?
障害者手帳を持っているだけで毎月のお金は支給されません。
手帳は税金の控除や各種割引などを受ける際に、障がいがあることを証明するものです。
定期的にお金を受け取れる制度には、障害年金や自治体の各種手当などがあります。
障害年金は、初診日や保険料の納付状況、障がいの程度などの要件を満たした場合に支給されます。
障害年金については日本年金機構、各種手当についてはお住まいの自治体の窓口でご確認ください。
障害者手帳は2つ持てますか?
異なる種類の障がいがある場合は、複数の障害者手帳を持てる場合があります。
たとえば、身体障がいと精神障がいの両方がある場合、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳をそれぞれ取得できる可能性があります。
取得後は、各手帳の種類や等級などに応じた支援の対象となります。
対象となる条件や申請方法は手帳の種類によって異なるため、お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口にお問い合わせください。
障害者手帳のデメリットを理解したうえで申請するか判断しよう
障害者手帳の取得自体にデメリットはありません。
ただし、申請の手間や心理的な負担、働き方によっては就職時の雇用枠など、事前に理解しておきたい注意点があります。
一方で、障害者手帳を取得すると税金の控除や医療費の助成、就職の選択肢が広がるなどのメリットがあります。
申請を検討する場合は、利用したい支援と申請にかかる負担を比較し、自分にとって必要かどうかを判断することが大切です。
すぐに決められない場合は、自治体の窓口や支援機関に相談してから決めるのもよい方法です。
また、就職や働き方に不安がある場合は就労移行支援へ相談する方法もあります。
アビリティーズジャスコでは、一人ひとりの希望や悩みに合わせて個別支援計画を作成し、就職活動から職場での定着まで一貫してサポートしています。
就労移行支援を利用するか迷っている人は、お気軽にご相談ください。

