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2018.02.06
仕事と私生活でのストレスでうつ病(神経過敏、聴覚含む)を発症、以降、焦って仕事を探す→無理をする→退職の悪循環となり、加えて普通の就職活動や日々の生活も厳しいと感じるようになったため、障害を前提に働ける場所を探す方向に切り替える。
当初は障害の自覚にやや抵抗を感じていた。就労自体は過去に数社あり、派遣社員として登録や面接、実際の勤務など一通りの経験があった為、「現在自分が出来る事と出来ない事」を理解した上でどのように仕事を続けていくかを主軸に置いた。
就労移行支援事業所への通所は具体的な本人の信頼性とつながるためゴールが定めやすく、「数で稼ぐ」「幅広く攻める」といった長期的な就職活動が精神的に困難な自分でも取り組めた。
現在では、自分のほぼ好きな事、得意分野のみに特化した業務と、安定した環境で仕事を行っている。健康面でも異常や疲れにはすぐに気付き、自分に無理をさせる様な事がなくなった。
たまたま母親が社員として面接を受けに行った先がアビリティーズジャスコであり、当時は勧められたがお互い就労移行支援事業所というものすら良く分かっておらず、派遣会社などのように「取り敢えず行くだけ行っておけば何かの時に役に立つかも」というくらいの認識で見学に向かう。
のちに、障害者に対して幅広く実態的な支援を行っている事、公的にも広く知名度のある施設である事を知る。自力で就職活動をするよりも、様々な意味で上手く行きやすいであろう要素(職員を交えての企業との面談や、必要書類の添削、求人情報の提供など)が大きかった為、通所を決意。
ほどんど他の事業所に関しては調べず、アビリティーズジャスコに通いだしてから「近所にもいろいろあったのでは」という事に気付いたが、正直あれこれ試す体力がなかったこと、やはり名前の有名さ(イオングループ)からして信頼はおけるだろうと考え、六ヶ月間の利用で就職を達成した。
本の紹介POP作り。
これまでクリエイティブ的な分野には多少とも造詣と自信があり、時間をかけた上で自分なりの傑作を提出したのだが、それは「仕事の場においては通用しない」出来である事、「自分で楽しむもの」としては良くても「商品紹介」としては至らない内容のものであったということに大変な衝撃を受けた。独自の解釈で作品から連想した内容を盛り込み、意図が伝わらない体裁となっていたため、もはや「デザイン」としても自己満足の範疇であることに気付いた。
このような「張り切り過ぎて結果趣旨が変わっている」ことはこれまでの就労経験でも覚えがあり、また「力を入れるべきところを間違えた」取り組みは、継続的な業務としても差しさわりが出るものである。「頑張っているのになぜかあまり評価されない」「一生懸命になるあまり異常に疲れる」といったストレスはこのような齟齬(そご)から生まれるのだと気付いた貴重な経験であった。
データの照合や伝票・申込書などの入力、金額清算といったデータ管理中心の経理事務。
部署の始動(仕事としては以前からあったが、完全分業としてフロアを分けるのは初めて)の折に、立ち上げの大切な一員としてお話を頂いた上での入社であり、少数精鋭として責任ある立場を預かる。実際に業務を進めながら調節していくことが多く、「どのようなスケジュールで進めていくか」「月〆、一日のサイクルにはどれだけ作業を割り振るか」「これまでの業務をより効率よく行えないか」といった基礎部分の計画も主軸にあり、数多くの自主的な試行錯誤が必要な現場に参加する形となった。
このため、臨機応変に対応する柔軟性を、日常的な進捗に活かすだけでなく、後に続くものとしてマニュアル作成や意見の提案などの形で新たに盛り込んでいる。
活動の緩急やストレスコントロールについて。
「~しなければならない」という考え方に囚われがちで、医師などのアドバイスも上手く消化できない状態だった自分が、一度習慣づいたマイナスの部分をリセット出来たことは非常に大きいと感じる。就労移行支援施設への通所という形は、「何は無くとも通うだけでもいい」と意識へ適度にブレーキをかけつつ、同時に規則的な生活リズムをつけるのに適したものである。これにより、自分の中の考え方や活動の指針そのものが、ストレス刺激から上手く立ち回れるよう、身軽になったといえる
フレキシブルな対応の望まれる勤務先でも、「明日の自分が困らない程度」に業務を纏め、のんびりと知識や技術を吸収しながら成長できているのは、この経験なればこそであると思っている。
考えすぎない事。
これまで自分は自分らを追い詰め、必要以上に現状を悲観視しセルフネグレクトの心理状態に陥っていたことを反省している。また、健康状態に関しても、「ストレスを感じ、体調を崩している事はわかるが、それを解決できていない事で自分を追い詰め、新たなストレスとなる」など、とにかく物事をややこしく考え、即座に解決しなければならないと空回りし過ぎていた。
将来とは、まず毎日を普通に過ごすことによって結果的についてくるものである。それを充実させたければ、適度に達成したい物事やイベントなどを盛り込めばいいのである。つまり、高い理想に振り回されず、日々のバランスが第一であることを忘れないようにしたい。
いま無理をして未来に繋がるものはない。「常にすべてを想定する、出来るようになる」のは「義務」でもなんでもなく、自分のペースで生きればよいということが、この一年を通しての最も大きな気づきである。
『私には、好きでもない仕事をしているあなたの方が、狂っているように見える』
これは、「仕事」に関して、ある偉人の遺した言葉であるといわれている。
個人的な解釈として、「好きな仕事」とは「日々、当たり前に取り組める仕事」ではないかと考える。時には工夫をし、調節ができ、ストレスを溜めないものだ。
『頑張るとは、その時点で非常事態である』
こちらは、残念ながら出典元が分からない。
ここぞという時に「頑張る」のであり、常に頑張っていると、それが「普段の姿」になってしまう。
逆に、全く頑張らないと、「頑張る」能力そのものを失う、
「日々当たり前に取り組める」「大事な時に力を発揮できる」
そんな都合のいい仕事や企業があるだろうか?絶対にある。
何故ならそれは、「都合がいい」のではなく、「あなたの働ける環境」というだけの話だからだ。
自分がこれから勤め上げる場所に、遠慮や妥協は要らない。しっかりと見極め、就職してほしい。